FC2カウンター なすかの世界 虹を架ける者--------第19話
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虹を架ける者--------第19話


 しんと静まり返った黒と赤の大広間で、四人の人影が互いを見つめあい、固まっている。やがて、静寂を破ったのは、薄紫色の髪をしたすらりと背の高い男だった。
「えー・・・失礼ながら、貴女はどちら様ですかな?」
 いきなり出てきて魔女呼ばわりされたことが、いささか面白くなかったようで、男性――――ナムレスは憮然とした表情だ。
「あ・・・えっと、ごめんなさい、あの・・・」
 それぞれの正体を知っている茶髪の少女――――ルーティが、慌てて間に立ってそれぞれを紹介し始めた。
「この者は魔女ではなく、ナムレスという同郷の者です」
 まずはシンディに対して、『謎の男』と思われているナムレスを紹介する。そして、
「ナムレス、こちらの方は、アイセント王国の王妹殿下でいらっしゃる、シンディ様です」
「は?」
 と声を上げたのはナムレスでもシンディでもなく、
「・・・・・・ルーティさま、今なんと・・・?」
「アーリィ・・・シンディさんは、この国の王女殿下でいらしたのよ」
 目が飛び出さん勢いで見開く従者に、ルーティは苦笑いした。自身もつい先刻、驚嘆の声をあげたばかりだ。気持ちはよくわかる。
「王女様ぁぁ!?この人・・・いえ!この方が・・・!」
 アーリィは失礼と思いつつも、シンディの頭の上から足先まで、驚愕の眼差しで眺め回した。
「あぁ、いいよいいよ、王女なんて柄じゃないんだからさ。ただの騎兵隊隊長だと思っててよ」
 照れているのか、本気で柄じゃないと思っているのか、シンディは頭を掻きながら手を振る。やはり、一国の王女とは思えない態度と言葉遣いだ。
「なるほど・・・・・・庶出の姫でしたな」
 シンディの生い立ちを知っているのか、一人納得するナムレス。知ってるなら、王女扱いするな、とシンディの瞳は口以上に物語っていた。
「で?魔女はどこいったんだい?ていうか、いったいどうなってるのか、説明できるかい?」
 シンディとリューナは、ロビーで夜盗集団『封龍』と対峙していた。それが突然、強い七色の光が城中を駆け巡り、その光が収まったかと思ったら、それまで執拗な攻撃を繰り返してきた夜盗どもが、操り人形の糸が切れたかのごとく、固い大理石の床に倒れていった。
「それでまぁ、後をリューナに任せてあんたを助けるために追ってきたんだよ」
 なのに魔女の姿はなく、代わりに見知った少女と見知らぬ男がいたわけだ。
 ルーティはアーリィを顧みた。応えようがなく、アーリィは軽く首を振る。
 次にルーティはナムレスの表情を窺った。言わんとしている事を読み取ったのか、ナムレスは小さく頷いた。それを受けてルーティは、真摯な眼差しでシンディに向き直った。「魔女は姿を消しました。なぜ消えたのか、どこへ行ったのか・・・それらを説明する前に、私たちの事情を話しておきたいと思います」
「事情?あんたたちの?」
 ふぅん、と、興味があるのかないのかよく解らない反応を返すシンディ。
「わかった、話を聞くよ。だけど、確認するけど、魔女は消えたんだね?」
「はい、消えました」
「じゃぁ、ここにはもう用はない。とりあえず出よう」
「そうですね」
 シンディの勧めに、ルーティはすぐに乗った。そして、アーリィとナムレスにも促す。
 四人が歩き出そうとしたその時、アーリィが小さく声を上げた。
「どうしたの?アーリィ?」
「あ、いえ・・・先ほどナムレス様が出てこられた部屋には、血の色をした泉があったのですが・・・・・・」
 そこでアーリィは確認するようにナムレスに振り返った。
「血の色の泉?・・・確かに私は泉から出てきたが、無色透明だったぞ」
 アーリィが見たときは、泉は確かに禍々しい深紅色をしていた。魔女も、『鮮血の泉』と呼んでいたはずだ。
「では、その泉も浄化してくれたのだわ・・・・・・」
 ルーティはまだ握り締めていた結晶を、さらに強く握った。
「たしかその泉から、複数の気配を感じたのですが・・・・・・」
 しかし、部屋から出てきたのはナムレス一人。アーリィの勘違いか――それとも――――?
「他に誰かいるかもしれないってことだね?だったら確認するまでだ」
 思い立ったら即行動!と言わんばかりに、シンディは件の部屋へと足を向けた。
 シンディが広間と泉の部屋との仕切りであるアーチをくぐった瞬間、
「「わぁぁぁぁぁ!!」」
 複数の、まだ幼い声がシンディに勢いよくぶつかった。さらに声だけではなく、シンディの胸より低い影がふたつ、彼女目掛けて突進してくる!
「な、な、なんだ!?」
 とっさに避けるシンディ。勢い余って広間に転がり出る二つの影。その影は、八つの視線が唖然と注がれる中、
「あいててて・・・」
「しっぱいしたぁ・・・」
 顔や頭をさすりながら、むっくりと起き上がったのは、まだ十歳くらいの少年たちだった――――。

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この子どもの中に、例の子ども達がいるんだな!?w
かっぱ | URL | 2008/11/18/Tue 23:03 [EDIT]
>かぱさん
ぃぇ、例の子供たち「しか」いませんw

なすか | URL | 2008/11/20/Thu 17:19 [EDIT]
”しか”いないのかwwwwww
かっぱ | URL | 2008/11/21/Fri 00:41 [EDIT]

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