FC2カウンター なすかの世界 虹を架ける者--------第4話
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
虹を架ける者--------第4話


 大陸の東域最大の国アイセントのさらに東方にて、おかしな組み合わせの旅人がいた。街道を西に進路をとり、二匹の大蟷螂に騎乗しての六人と一匹の旅人である。
 うち二人は、いかにも兵士といったいでたちで、それぞれの大蟷螂に乗りわけ、手綱を取っている。
 さらに二人は、ぐったりとした怪我人で、人相風体や縛り上げられている様子から、盗賊の類のようである。後ろを行く大蟷螂に無造作に乗せられている。
 残りの二人は少女である。どちらも将来有望な美女になるであろうと思われる。前を行く大蟷螂に乗り、どこか怯えた表情をしている。
「それであんたたち、何の目的で旅をしてるんだい?」
 少女たちと同乗し、手綱を握っている女性―――大鎌騎兵隊隊長のシンディが、軽い気持ちで聞いてきた。
「え・・・えぇと・・・その・・・・・・」
 茶色い髪と不思議な光をたたえた青い瞳を持つ少女が言葉に詰まる。そこへ後を引き受けたのは、赤い髪と瞳の、ややきつめの眼差しをしたもう一人の少女だった。
「私たちは、各地で語り継がれている伝承の類を集めている者です」
「へぇぇ・・・・集めてどうすんだい?」
「本にするのです」
「あんたたちが?」
「いえ、私たちは調査員ですので、私たちの雇い主が・・・・・・」
「調査員?そっちの子は良い所のお嬢っぽいけど?」
「そ・・・それは・・・・・・いろいろあるのです」
 この間、茶髪の少女―――ルーティは一切口を挟めず、二人の間で目を泳がせるばかりだった。
 シンディの遠慮のない、矢継ぎ早な質問を浴び、赤髪の少女―――アーリィは次第に口ごもる。
 なおもシンディが質問のために口を開こうとしたとき、後ろの方から冷ややかな声が飛んできた。
「隊長・・・・・・それ以上尋ねるのは無粋ですよ」
 口を開いたまま、数瞬固まっていたシンディは、じろり、と隊員のリューナを睨みつけた。
「わかったよ・・・うるさいねぇ」
 これ以上突っ込まれないとわかり、ルーティとアーリィの二人はほっと胸をなでおろした。
「まぁ・・・この国を脅かそうっていう輩でもないだろうしねぇ」
「そ、それはもちろんです!本当に私たち、伝承の類を聞いて回ってるだけで・・・」
 とんでもない疑いだと、ルーティが慌てて否定する。
「それはいいとして、さっきも言ったとおり、女の子二人だけで旅をするのは危険だよ」
 騎兵隊として、”それはいい”というのはどうかと、後ろの方でぼやくリューナ。
「この辺りはそれほど治安は悪くないはずでは?」
 だからこそ、無用心にも街道から外れた場所で休憩を取っていたのだと、アーリィが弁解する。
「あぁ、それがねぇ・・・どうもおかしいんだ」
 シンディは、リューナの大蟷螂に同乗させている、二人の男を顧みた。
「あいつらはねぇ、首都近郊を根城にしていた夜盗集団『封龍』の下っ端さ」
 『封龍』の名に聞き覚えのあったアーリィは、しかし首を傾げる。
「『封龍』といえば、アイセントの義賊として有名だったはず・・・・・・」
「そうなんだけどね・・・・・・こいつらの、代替わりしたばかりの若い頭目が行方不明になってるらしくてね」
 それ以来、義賊らしからぬ行いをし始めたのだとシンディは苦い顔で語る。
「それだけじゃないよ」
 アイセントの東隣の国、イシスでも何やら事が起こってるらしく、商品の流通が滞っているのだそうだ。そのせいで、商売が巧くいかなくなった商人たちが、盗賊まがいのことをやり始めているらしい。
「それでどんどん、治安は悪化していってるんだよ」
 それを聞いて、暗い顔をするルーティ。そんな彼女を慰めるかのように、小猿のキャッパーが小さな手を頬に当てる。
「あたしたちが護衛をしてやれればいいんだけどねぇ・・・・・・そうもいかないしねぇ」
 ちらりとリューナの顔色を伺いながら、シンディは肩をすくめる。治安が悪化する中、騎兵隊の、しかも隊長が一介の旅人の護衛をする暇などあるはずがない。
「お気遣いありがとうございます。街に到着しましたら、考えてみます」
 ルーティは丁寧に頭を下げた。アーリィもそれに倣う。
「あぁ、そうしなよ―――っと、その街が見えてきたよ」
 シンディの言うとおり、前方にアイセントの東方でもっとも大きい街、マンセンがその姿を現していた。
「あんたたちを降ろした後、あたしたちはそのまま西にあるマンティス砦に向かうから、何かあったら遠慮なく尋ねてきなよ!」

スポンサーサイト

Comment

管理人にのみ表示する

新作だ~^^
楽しみにしてた^^b
展開が読めなくて、おもしろいw
頑張って執筆してね^^
かっぱ | URL | 2006/11/20/Mon 20:09 [EDIT]
>かっぱさん
ほんと~?読めない?w
じゃちょっと予告・・・・・・。
次回は、真打ちの登場だぁぁぁぁ!w
なすか | URL | 2006/11/22/Wed 17:09 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © なすかの世界. all rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。